世の中自粛自粛でなんだか気持ちが塞ぎこんでしまいますよね。私は例によって積載車の出動要請が相変わらず立て込んでいる状況です。こんな状況だから早く修理したいというクルマや、こんな状況で引き取りに行くのが困難、といったオーナー様のおクルマの代行搬送がそれなりにあり、なんだか妙に忙しくしております。

さてそんな折。東京大田区のアウトレーヴに立ち寄ると「ごみちゃん、良いのが入ったのよ。」乗らない?とムッシュこと代表の平澤さんのお誘い。ちょっとキーを拝借して一回りさせてもらうことにしました。

クルマはルノーメガーヌエステート2.0GT。これだけ見ると、「なんだメガーヌのワゴンの標準車?」と思ってしまいますが2012年に一年だけ限定30台だけ輸入された左ハンドルマニュアルのワゴンなのです。これ以降の年式になるとマニュアルモデルも右ハンドルになっているのですね。乗り込んでみると、サポートの良い肉厚のシート、まさに快適そのもの!!

サイズ感は私のもとにある初代のラグナに近いですね。このサイズ古くはルノー16とかにも通じるルノーの「原器的」なサイズ感、実に居心地がいいものです。

画像1: 「クルマ好きを駆逐せよ!」
ルノーメガーヌエステート2.0GT(2012年国内限定30台の左ハンドルモデル)
画像2: 「クルマ好きを駆逐せよ!」
ルノーメガーヌエステート2.0GT(2012年国内限定30台の左ハンドルモデル)
画像3: 「クルマ好きを駆逐せよ!」
ルノーメガーヌエステート2.0GT(2012年国内限定30台の左ハンドルモデル)
画像4: 「クルマ好きを駆逐せよ!」
ルノーメガーヌエステート2.0GT(2012年国内限定30台の左ハンドルモデル)

右利きには有難い「左ハンドルマニュアル」

天邪鬼だと言われてしまいそうですが、やはり左ハンドルマニュアル、良いものだなと思います。右利きだからでしょうか。意のままに、つい手を伸ばすとそこにシフトがある。そんな感じです。

ピラーに邪魔されることなく、右側に大きな視界をもたらしてくれるフロントスクリーン。大きな交差点での横断歩道の歩行者の存在も容易に広い視界で確認できますね。確かに路線バスの停留所での追い越しなどは不便。でも、そういう場合は「待っていればよいのです。」身も蓋もないいいかたですが、左ハンドルの輸入車を乗るような人は、そのくらい日常の喧騒と距離を置いておくべきだし、現にそういう人が乗っているんだと個人的には思っています。

そんなに急いでどうするのでしょうか。また焦って追い越したら、バスの直前を横断している歩行者と接触する可能性だってあります。じきに動くでしょう。それまで待てばよいではありませんか。世の中安全支援装置を求める風潮が強いですし、安全が促進されること自体は大いに大歓迎ですが「待つ、譲る、ゆとりを持つ」という基本的な心構えを軽んじてはいないでしょうか。どんなデバイスで私たちの運転をサポートしようとも、事故は無くなりません。

左ハンドルを日本で乗ること。それは、珍しい、舶来主義というばかりではなく、普通の国産車とは違う構造に乗っているのだという自覚、そしてそれによる緊張感なども含めての意味合いがあるのではないかと思うのです。スポーツとは言うものの、やさしく入るギヤシフトのタッチとともに、決して血眼になるだけ、刺激の対象ということではない、おおらかで余裕に満ちた。旅行鞄のような一台。なかなかの大人チョイスだと感じました。

画像: 右利きには有難い「左ハンドルマニュアル」

6速50キロ1000回転!!!

クルマの片隅にはGTとかルノースポールの証も控えめに入り、もちろん、純然たる素のメガーヌではないのですが、かといってホントに尖りすぎたところとかはなくそこはかとない感じ。気がつくと呼吸しているように自然な感じがするものです。そこはむしろ、ルノースポールのという特別さ・威光のようなものではなく、ルノーの本質のような気もするものです。

中原街道をひらりと走るのも容易。バスや配達中のトラックをかわして行くのも余裕です。そして何より安楽。サイズ感もちょうどいい。この後同じ排気量で220馬力仕様なども導入されますが、ルノーの身上、すなわちバランスがとても素晴らしいのです。乗り心地もソフトすぎません。それなりに芯はありますが、それも気になることはなく。これでいいと思いました。そしてそういう集大成、やがて「これがいい」というある種の最適解をこのクルマに見出すことができます。

トルクバンドがたっぷりある上に、そのまま、さらに上のステージを流すのにギヤリングも巧い。6速 50㎞/hで走っていると約1000回転。ディーゼルですか?というような回転数です。ちなみに、最近の乗用車用クリーンディーゼル、この回転数でずっと使用しているとDPFのクリーンモードにたちまち突入し、連続燃焼モードになるので、むしろ燃費的貢献はあまり見込めないかもしれません。そう考えると、実測はできていないですが、この回転数でも使える懐の深さはむしろ、そんなディーゼルを越えた実用性を持っているということができるかもしれません。もちろん、ガソリン車らしいシャープで切れのあるフィーリングもディーゼル車にたいして勝る点。日常の移動にプレジャーを感じることができるクルマだと思います。

画像1: 6速50キロ1000回転!!!
画像2: 6速50キロ1000回転!!!
画像3: 6速50キロ1000回転!!!

個人的に気に入った「テールゲートの座り心地」

このクルマで気に入ったところはテールゲートを開けたときにそこに座った座り心地。高さもちょうどいいのです。お弁当でも持って人知れず森の中をドライブ、海辺の駐車場で一休み。なかなかそうもいかない今どきですが、また落ち着いたらそんなことも可能な一台ではないでしょうか。
エステート。まさにその名に恥じない一財に値するラゲッジスペースがあることはこのクルマの大きな魅力と言えるでしょう。

画像1: 個人的に気に入った「テールゲートの座り心地」
画像2: 個人的に気に入った「テールゲートの座り心地」
画像3: 個人的に気に入った「テールゲートの座り心地」

はま寿司に立ち寄っても気分は南仏マルセイユ?

もちろんドライブにももってこいですが、普段からの足として忠実な道具。はま寿司でふらっとお寿司でも食べるだけだって全然気持ちが違います。中原街道沿いの店舗は平日でも90円にはなりませんでした。なんか損した気分、などとは言わず、値引き対象店舗でも値引きにならない150円のお皿ばかり食べることにしました。普段食べないリッチなネタ、効率的にトリオで供される三種盛りなどの組み合わせでむしろ普段より安上がりで満足度が高いのは意外な発見。

なんだか、贅沢かと思いきや、むしろ理にかなっている。メガーヌ・エステート2.0GTみたいな満足度だなと。思ってしまいました。

鯛を口に入れて目を閉じれば、まるで南仏の港町で食事をしているかのような気持ちに。すみません、少しだけ盛りました(笑)ただ、普段よりマグロが少なく白身魚多めだったのは、このクルマで訪れたことが多少影響している気がしないではありません。

画像1: はま寿司に立ち寄っても気分は南仏マルセイユ?
画像2: はま寿司に立ち寄っても気分は南仏マルセイユ?
画像3: はま寿司に立ち寄っても気分は南仏マルセイユ?

輸入車を紹介するということ。輸入車を販売すること。

このクルマのハンドルを握っていると、いろんなことに思いが巡ります。それはクルマにまつわる色々な難しさとコミュニケーションの大切さです。30台でもこういうクルマを入れたルノージャポンには賛辞を贈りたいし、こういうことこそが実はインポーターの役割としては大事なのではないかと思うのです。

このクルマには表層的なダイナミックさや、性能の高さ以外に、ルノーが生まれたフランスの暮らしや文化、風土が巧く垣間見える、そんな一台です。いいなと憧れるひとは数多くいても、実際、超希少車でもないこのクラスで左ハンドルのワゴンを購入する人がどれくらいいるかを考えたら、それはなかなか悩ましいもの。30台はいい台数。むしろチャレンジ予算となりかねない数量である可能性もあります。

世界の自動車が収益性の高いクルマをいかにたくさん売るか。年間の「総販売台数」だけを追い求めている今、メーカーとしては当然ですが、営業手法としてはそれでいいのだろうか?と思ったりするわけです。

自動車は「ニーズに合わせたものを作る。」これは大切なことです。しかし「おたくの会社がそれを作ったからと言って売れるかどうかはまた別の話」ということもよくあるのではないでしょうか。工業製品であると同時に生活の中で使う道具という側面を持つクルマ。こういう経緯でこのクルマは誕生し、こんな風に使われてきたクルマを「日本の皆さんにも是非知ってほしいから持ってきました」というメッセージが大事で、それを丁寧に伝えていくことで、そのクルマが生まれた国への思い至る人が増えて、そのメーカーのファンになり、一台売れていく。昔の輸入車というのはそういうものだったはずです。そしてその結果として、数千台数万台というセールスの結果が積みあがる。ポリシーやメッセージ、そういうコミュニケーション、輸入車という比較的簡単に、しかし決して安くはない「異文化交流商品」では大切にしてほしいと願うところです。

一方自分に目を向けると、一応自動車ライターとして最近は声をかけていただけることも増えてきました。そんな中で、私たちもつい「言葉で表しにくい」「何とも言えない」なんて言う言い回しを使ってしまうことがあります。これには上の課題に近い課題を感じます。そういうことを言わずになんとか言葉にして皆さんにお伝えしていく。少しでも読者の方を触発し、最終的な判断はともかく、一度は検討してもらう。ちょっと気にしてもらう。そんなことをしていかないといけないなと反省させられる部分もありました。

こんなことを考えると、このメガーヌ・エステートのようなクルマ、とても重要だし黙ってやり過ごすことはできない一台と言えるです。何せとても実用的で自動車として完成度の高いパッケージである上に、凡百のスポーツカーよりも楽しく、どこまでも走りたくなるところには高いGT性を感じます。「こんなクルマもあるのです!」と「これで十分」が共存しているなかなか稀な例ではないでしょうか

画像1: 輸入車を紹介するということ。輸入車を販売すること。
画像2: 輸入車を紹介するということ。輸入車を販売すること。
画像3: 輸入車を紹介するということ。輸入車を販売すること。
画像4: 輸入車を紹介するということ。輸入車を販売すること。

クルマ好きがやりがちな妄想を駆逐する

クルマ好きはすぐに「お金があったら」とか「くれるなら」とか言ってありえない状況下でクルマを迎え入れる妄想をするものです。あとは「アシに」「つなぎで」などと、いろんな用途を考え出し、自分の車庫に並べる口実を口にします。「家族ができたのでそろそろ落ち着いて、こういうクルマにしようと思う。」などと、落ち着くならクルマの事など考えるよりやることがあるだろう、という突っ込みをむしろ受けかねない妄想に走りがち、常套ですね。

結局。常にあれこれとクルマの事ばかり考えていたいのですね。このメガーヌ・エステート、そんなクルマ好きへの最適かつ最高の回答を持っている一台。ある種そういうクルマあだと思います。クルマ好きが浸っていたい「クルマ好きの四の五の」を取り上げるパワーさえ感じさせます。

その意味では、クルマ好きの懲りない妄想を駆逐しかねない一台だとさえ思うのです。由々しき事態ですが、こんな一台に巡り合えたことは至福。そして、こういうクルマもあるのだ。それを知れただけでもとてもうれしい気持ちになれる一台でした。

距離は9万キロを超えています。しかし、コンディションは良く全体にやれた感じがない、かっちり感の残る一台。車両本体は100万円でおつりがくる価格。バーゲンであることに説明は要らないかと思います。

アウトレーヴ ルノー メガーヌ エステート 2.0GT

http://autoreve.jp/stock/%e3%83%ab%e3%83%8e%e3%83%bc-%e3%83%a1%e3%82%ac%e3%83%bc%e3%83%8c-%e3%82%a8%e3%82%b9%e3%83%86%e3%83%bc%e3%83%88-2-0gt/

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