最近ではレッカーお引き取りなどが入り、なかなか原稿を書く時間が取れず、一体何屋だかわからない、長距離自動車ドライター中込ですが、そんなことをしていたら、日本でも屈指のクラシックカーイベント「La Festa Mille Miglia(ラ・フェスタ・ミッレミリア)」にオフィシャルレッカーで参加することに。果たしてどんなドラマが待っているのでしょうか。ちゃんと務まるのか。いろんな思いを胸に、いよいよスタートの明治神宮に向かいました。

名古屋から明治神宮に直行

令和元年、10月はかなり多忙でした。ラ・フェスタ・ミッレミリアのサポートの前に、山形県鶴岡市で9月末まで公開されていた「チンクエチェントミュージアム」の名古屋へのお引越しのお手伝いも3か月以上前から依頼されており、こちらはこちらでそんなに急ぎませんよ、とは言われたものの、何しろ秋深まりつつある時期の東北の海沿い。ぐずぐずしていると、場所によっては凍結したり、それこそあまり遅くなって冬に差し掛かれば降雪のリスクもありますので、基本的には10月中にわたくしのタスクは完了しておくことが望ましいと考えました。ですので、前週に鶴岡→名古屋を二往復し、ラ・フェスタ・ミッレミリアの前にも一往復しておかないと間に合わないということに合っておりました。ちなみにルートによって多少差はありますが、ざっと650㎞。この直前に日本中に甚大な被害をもたらした台風19号の暴風域の範囲がだいたい650㎞ほどだといいますので、それをニュースで聞いたとき、肌で感じる規模の大きさに唖然としたのは、直近で自ら通い走っていたために肌に染み付いた実感がそうさせたのかもしれません。ということで、前の日に貴重なチンクエチェントを名古屋で降ろし、そこから直行で明治神宮に入りました。途中ハイウェイオアシス刈谷の「天然温泉かきつばた」に寄ったのは、いつもの個人的な温泉趣味によるものというよりは、ささやかながら、ばたばたとした自分のスケジュールの中でも、こうした貴重なクルマたちと共に過ごせる日々に対する感謝。チンクエチェントを今回も無事に届けられたことへの安堵。そして、翌日からのラ・フェスタ・ミッレミリアに臨むにあたっての気持ち的な切り替えといった様々な想いからの、ある種の「けじめ」のような意味合いが強かったように思います。

明け方給油をして満タンに。このころにはすでにかなり強い雨模様。明治神宮に到着する頃にはずいぶん強い雨脚になっていました。スタート地点の明治神宮第三駐車場はエントラントのクルマで一杯ですので、少し手前、NHKとの間あたりでスタートまで待機です。

画像: オフィシャルカーは各社から話題のモデルが集められた。

オフィシャルカーは各社から話題のモデルが集められた。

画像: オフィシャルパスを受け取ると気持ちは自然と盛り上がる。

オフィシャルパスを受け取ると気持ちは自然と盛り上がる。

画像: スタート地点の設営も着々と

スタート地点の設営も着々と

画像: 公式ガイドブックと、ルールブック。

公式ガイドブックと、ルールブック。

画像: 参加者への記念品も準備万端

参加者への記念品も準備万端

画像: レッカーチームもいつでもサポートに入れるように常に満タンに。このフォワードは150リットルタンクでまだ余裕があるが、他のクルマが給油するタイミングでは一緒に給油して備えた。

レッカーチームもいつでもサポートに入れるように常に満タンに。このフォワードは150リットルタンクでまだ余裕があるが、他のクルマが給油するタイミングでは一緒に給油して備えた。

画像: レッカー部隊準備完了

レッカー部隊準備完了

画像: 出発のスタート地点では車検がスタート。お祓いの後東北に向けて出発する一行を付近の路上で待機。

出発のスタート地点では車検がスタート。お祓いの後東北に向けて出発する一行を付近の路上で待機。

画像: 前日のミーティングではスペースの関係で、参拝客を乗せてきたバスの駐車場に停めさせていただく一幕も。

前日のミーティングではスペースの関係で、参拝客を乗せてきたバスの駐車場に停めさせていただく一幕も。

画像: 霧吹きで濡らしてからへらで気泡を抑えつつステッカーをトラックに貼る。初めてゆえ、なかなかうまく貼れなかった。

霧吹きで濡らしてからへらで気泡を抑えつつステッカーをトラックに貼る。初めてゆえ、なかなかうまく貼れなかった。

画像: ゼッケンを張って出発を迎える。

ゼッケンを張って出発を迎える。

画像: 令和元年のいい思い出。

令和元年のいい思い出。

画像: 安全運転は常に心掛けていくこと。終了後も自分の為に継続して貼っている。

安全運転は常に心掛けていくこと。終了後も自分の為に継続して貼っている。

朝7時。続々集まり始める参加者。

かなり強い雨脚、前週の台風の猛威は強烈なものでしたが、雨に関してはあれに準じるほどの強さに見舞われた場所も道中はあったほどです。あたりが少しずつ白々としてくる頃、スタート前の車検が始まります。車検をクリアして初めてスタートラインに立てることになっています。クラシックカーラリー出でるクルマ、当然最新の保安基準を満たしているわけではありませ。しかし、だからこそ、特にこのラ・フェスタ・ミッレミリアでは厳正に車検を行います。そのクルマが本来持っている走る・曲がる・停まるに関してはしっかりできなければ、スタートラインを出発することはできあいのです。もちろん大きな事故になってはいけないというのもありますが、なんとなく「クラシックカーだからおめこぼし」みたいなことはない、というレギュレーションも割と近くで実感することができました。

待機中、一台、また一台。明治神宮に参加車両が到着するのを見ると、ああよかった!と思ったものです。最近のクルマがほぼガス放電式の鋭く明るいヘッドライトである中、雨の中をほんわかとした柔らかな、黄色がかった光のクルマが走ってくると、たいていラ・フェスタ・ミッレミリアの参加車両です。ただ、ライトは柔らかく、もっと言えばそれほど明るくないのですが、見失ったり、存在が目立たないかというとそんなこともありません。ハイブリッドカーやEVも増えてきた昨今、クリーンディーゼルエンジンでさえ相当静粛性が向上していますから、一番新しくても1960年代のクルマたち。その強い雨脚でもかき消されることの無いエンジン音のクルマがほとんどでした。

画像: 雨上がりの朝。水滴がボディで美しい。

雨上がりの朝。水滴がボディで美しい。

道端の故障車を見るとドキッとする!?初日は代官山T-SITEを廻って磐梯高原までのドライブ。

車検の後、安全祈願の祈祷をして、一行はまず代官山を目指します。最初のチェックポイントがT-SITEに設けられていました。しかし、私たち一行は、全員が出発してもしばらく、明治神宮付近で待機します。確かに、そうそうすぐに停まるクルマもないでしょうし、あの距離、そしてあのルートをいちいち大きな積載車が後を付けることもありません。けれども、しばらく待機して、何か連絡があれば、明治神宮からでもすぐに駆け付けることができます。結局、代官山までのルートでトラブルもなかったので、エントラントの多くが代官山を通過
下頃合いを見て、東北道方面へ向かい出発しました。富ヶ谷の入り口から山手トンネルを通って東北道へ向かい出発しました。

しかし、何でもいいですがものすごい雨。今になって振り返れば、今年も大きな台風に見舞われました。台風19号の爪痕はかなり大きかったです。しかし、今年のラ・フェスタ・ミッレミリアが開催された日程、特に初日の雨も、雨脚の強さで言えば、台風19号ほどではないにせよ、普段の台風の雨脚よりはかなり強い雨だったのではないでしょうか。

あの天気は、クラシックカーに限らず、決して自動車にやさしいものではありません。東北道を北上していくと、道端に結構な台数が故障して停まっていました。けれどもみな現代のクルマでした。確かに電子制御でより多くの部分を支配されている今のクルマの方が、ひとたび何かあるとああした雨の中では厳しいかもしれません。正直、視界もよくない中で積み込み作業も難儀であることは明らかな状況下、そういうクルマを見かけるたびに、ドキッとしたものです。しかし初日は、まったくトラブルがなかったわけではありませんが、少なくとも途中で私がトラックで積み込まなくてはならないような事案はありませんでした。

しかし、道中ではそうした状況も完全に把握できているわけではありません。もしかすると初日のゴール地点に到着できないクルマがあったりすれば、相当の距離を迎えに戻らなければならないかもしれません。そもそも、大都市近郊のように、24時間営業のガソリンスタンドも多くありませんし、スタンド自体がそうそうないので、まだ、燃料計では優に半分以上ありましたが、一般道に下りた直後にダメ押しの満タンにして磐梯高原に向かいました。私たちが「ガス欠」になっている場合ではありませんので。

画像: ハンターマウンテン那須塩原でのランチ。

ハンターマウンテン那須塩原でのランチ。

明かりもほとんどない暗い道を、磐梯高原へ。文字にすると何でもないようですが、明かりがあることを感謝したくなるような、そんな道です。そう感じたのは、参加しているクラシックカーの多く、光量の弱いクルマが多いからかもしれません。もちろんそうした電気の部分はオリジナルよりも強化してあるクルマも多いことでしょう。それでも最近のディスチャージヘッドライトなどに比べたら、ミッレミリアのクルマたちのヘッドライトは弱いものです。そういうクルマで、雨の中を走るのです。だいぶ日没の早くなった晩秋のみちのくを、闇の方へとクラシックカーたちが走ります。その姿は「勇ましい」と自然に表現したくなるものでした。

こうしてどうにか一日目は幕を閉じました。

画像: ホテルに到着すると温かいアップルティーがウェルカムドリンクとして用意されていた。クルマのコンディションとの対話をしつつも、無事の到着に安堵し、こうした道中で会う人の「こころに触れる旅」。それがラ・フェスタ・ミッレミリアなのである。

ホテルに到着すると温かいアップルティーがウェルカムドリンクとして用意されていた。クルマのコンディションとの対話をしつつも、無事の到着に安堵し、こうした道中で会う人の「こころに触れる旅」。それがラ・フェスタ・ミッレミリアなのである。

画像: トヨタ2000GTのエンジンは愛でるだけのお飾りでは無論ない。調整で万全を期し美しいエンジンは翌朝も元気に目を覚ましていた。

トヨタ2000GTのエンジンは愛でるだけのお飾りでは無論ない。調整で万全を期し美しいエンジンは翌朝も元気に目を覚ましていた。

画像: 無事に到着、ではあるものの、ご機嫌伺は夕食後も夜遅くまで続く。

無事に到着、ではあるものの、ご機嫌伺は夕食後も夜遅くまで続く。

画像: 毎朝出発前にはアルコールチェックを実施。クルマ仲間との楽しい夜でも、飲み過ぎは禁物!

毎朝出発前にはアルコールチェックを実施。クルマ仲間との楽しい夜でも、飲み過ぎは禁物!

画像: 運営チームがポイントポイントで走行をチェック。速度超過や一時停止の無視など法規違反はしっかり指導が入り、当然レースのポイントからも減点などペナルティの対象になる。

運営チームがポイントポイントで走行をチェック。速度超過や一時停止の無視など法規違反はしっかり指導が入り、当然レースのポイントからも減点などペナルティの対象になる。

画像: ホテルからは出発前にカイロのサービス。すでに色づく晩秋のみちのく、しんしんと冷える。

ホテルからは出発前にカイロのサービス。すでに色づく晩秋のみちのく、しんしんと冷える。

This article is a sponsored article by
''.