JAIA二輪試乗会インプレッションVol.7第7弾はアプリリアのRSV4 RF 2017をレポートする。アプリリアは同じくイタ車のドゥカティと比べると知名度やブランド力は劣るものの、積極的なレース活動を推進してきたメーカーとしても知られ、1990年代にはロードレース世界選手権125ccや250ccクラスで幾度もタイトルを獲得している。レースのイメージが強烈すぎるが故に日本では近寄り難い存在なのかもしれない。そしてRSV4シリーズは2009年にワールドスーパーバイク選手権(WSB)にデビューして以来、現在までに7回のワールドタイトル獲得し、さらに2015年に登場した現行モデルであるRSV4 RFはスーパーストック1000クラスの年間チャンピオンに輝くなど華々しい活躍をしている。今回は世界最高峰のレースで勝ちまくってきたRSV4の最高峰モデル、RSV4 RF 2017の魅力を探りたい。旧型からのアップデートとしては、排ガス基準EURO4対応になり、日本仕様もEU仕様と同出力設定が標準となったこと、また新しいオーリンズ製サスペンションシステムやブレーキシステム、コーナリングABSとダウンシフターを装備されたAPRC(アプリリア・パフォーマンス・ライド・コントロール)電子制御パッケージなど様々な変更点が加えられている。高度なマルチマップコーナリングABSは突発的なブレーキングによるリアホイールのリフトを抑えるアプリリアRLM(リア・リフトアップ・ミティゲーション)システムとともに機能し、公道における安全性を飛躍的に高めるだけでなく、サーキットでも最高のパフォーマンスを発揮する。高精度なAPRCは加速中に路面のギャップやマンホールなどで後輪が滑ったときも瞬間的にトラクションコントロールが介入しスリップを防ぎ、万が一フロントが舞い上がってしまってもウイリーコントロールにより安定した姿勢に戻してくれる。ブレーキも試しに安全な場所でガツンとかけてみたが、ロック寸前に自然なリリースコントロールをしてくれる。このように究極のハイスペックマシンでありながら、高度な電子制御によって安全に楽しむことが可能なバイクなのだ。エンジンにはクラストップレベルの最高出力201psを発揮する、スーパーバイクレーサー直系の65度V型4気筒エンジンを搭載している。MotoGPマシンの主流であるV4エンジンが使われている量産車はRSV4くらいなものだろう。スリムでコンパクトでありながら、パワーと最大トルクを犠牲にすることなくパフォーマンスを高め、独特な鼓動感、サウンドも健在だ。ルックスはというとGPマシンを彷彿とさせるグラフィックパターンがひときわ目を惹く。同じイタリア車のドゥカティパニガーレとはまた違ったキレキレのレース仕様な見た目にグッとくる。エンジンマップは「スポーツ」「トラック」「レース」の3段階で、ボタンひとつで簡単に切り替えることができるが、「スポーツ」でも十分すぎる加速力がある。試乗コースの1番長い直線でもスロットルを少し捻るだけで瞬間移動のように先に進んでしまうほどの猛烈な加速力に驚いた。ハンドリングは「軽快」を越えて「鋭い」切れ味だ。今回の試乗では試すことは出来なかったが、サーキットではコーナーインやカーブなどで強力なアドバンテージになるだろう。正直なところ、狭い試乗コースの中ではそのポテンシャルの半分も引き出すことが出来なかったが「乗りやすい」や「操作しやすい」などの観点で判断するバイクではないことはよくわかった。「最速のスーパーバイクになること」をテーマに作られたRSV4、最高峰のレースで培った経験をフィードバックした珠玉のマシンは、そのポテンシャルの片鱗に触れただけだったが、最高にエキサイティングな時間を過ごさせてもらうことが出来た。ツーリング : ★★☆☆☆街乗り : ★☆☆☆☆乗りやすさ : ★☆☆☆☆楽しさ : ★★★☆☆究極のスーパースポーツ:★★★★★エンジン:4ストローク 水冷65°V型4気筒 DOHC 4バルブ総排気量:999ccボア×ストローク78 mm×52.3 mm最高出力:201HP(148kw) / 13,000rpm最大トルク:115Nm / 10,500rpm点火方式:電子制御イグニッションシステム潤滑方式:ウェットサンプ始動方式:セルフ式トランスミッション:6速カセット式クラッチ:機械式スリッパ―システム付湿式多板クラッチフレーム:アルミツインスーパーフレームタイヤ(F):120/70-ZR17タイヤ(R):200/55 ZR 17全長:2,055 mmホイールベース:1,435 mmシート高:840 mm車両重量:204Kg燃料タンク:18.5 L
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