20世紀から継続生産されていたアクティのバンに代わって、ホンダが市場に投入したN-VAN。とても興味深いですね。なぜならば九州まで行っても、北東北まで走っても全く問題のないことを芸文社660magazineの取材ですでに体感してきた筆者としてはそのNシリーズでプロ仕様を仕立てたモデルの登場です。ピラーレスのサイドドアや、フラットになる床の仕掛けなど話題も非常に多いですが、何より、軽自動車輸送ではかなりチャーターで比較的長距離を走るケースも少なくないようです。そんなところでの挙動、350㎏積んで山陽道の最大斜度6パーセントはどうなのか。マニュアル車の振る舞いはどうなのか。個人的な興味はそこだったりします。(そもそも取材のしやすさから箱根へ持ち込むケースは多いと思いますが、クルマの真価が問われるのは山陽道のあの美祢あたりの坂を上り切って、山陽小野田市にかけてものすごいダウンヒルをこなしそんなことを経て、関門海峡が見えてきた当たりでどんな所感があるのか、クルマの評価の本質はそこのような気がしているのです。)

それは個人的な興味であるとして、数々のインプレッションを見てもなにか物足りない印象しか残りません。「それはペーペーライターでホンダの試乗会に呼ばれないひがみではないか?」という指摘は甘受します。というか商用車を所有して使い込むと、第一印象や雰囲気、乗用車を見る感覚で評価すると、全然お話にならないことだらけだということに気が付きます。甘受したうえで、ホンダ広報の皆さんには商用車を使い込んでいる人とかを呼んだらもう少し別の視点でも紹介できたのかもしれませんねと申し上げたい気持ちではあります。(もっとも試乗会の限られた枠の中で確かにチェックしきれないというのもあるだとは思うのですが。)

画像1: https://www.honda.co.jp/N-VAN/
https://www.honda.co.jp/N-VAN/

今回特に「奴さん(古風な表現をあえて挟み込みますがここではN-VANのことを指します)」が軽自動車だから、さらになめてかかっているのではないか。そんな風に感じるのです。S660のものをベースに、も、それこそコスト面でシビアな軽自動車、今あるものがそれであるだけで、なんら驚くほどのことはないでしょう。またインパネの配置も、それの操作のしやすさが果たしてユーザビリティでしょうか。優先順位をつけているのではないでしょうか。

いろんな指摘もあるのですが、いろいろ読んでも、何か「指摘のための指摘」ばかりのような気がしてなりませんでした。

そもそも商用車の仕様用途、その可能性は無限大であるといってもよいのではないでしょうか。それに対してどこまで対応できるのかどうか。そのカバー率が結構大事なのだと思うのです。そのうえで、そんな無限大に近い可能性に対峙するそのクルマが「期待できる代物なのかどうか」それに終始するのではないでしょうか。

画像2: https://www.honda.co.jp/N-VAN/
https://www.honda.co.jp/N-VAN/

いくらフロアがフラットになっても、長尺物が詰めても、「荷物が収まった状態」にするためには「荷物を収める」ことが必要でしょう。であればコンベンショナルなスライドドアに対してどのくらい積みやすくなったのか、あるいは「とはいえ、そんなに画期的でもない」ものなのかどうかなどをもっと紹介してもよかったのではないでしょうか。荷物を車内に収めたって、物置ではないのです。荷物を締結することもあるでしょう。そういう締結紐の引っ掛ける場所や使い勝手。またアタッチメントの種類、オプションでどんなものが選べるのか。中にはそれで対応しきれず自家製のラックを作り付けねばならないユーザーもいるのではないでしょうか。そんな自由度も大事でしょう。そうすると想像力もモノを言います。

画像3: https://www.honda.co.jp/N-VAN/
https://www.honda.co.jp/N-VAN/

それは一般向きではない、と言われるかもしれません。それは私が持っている日野の2トン、デュトロであればこんなことをメディアで書いても情報として必要な人は少数でしょう。けれども「軽バン」です。個人事業主や、商店での配達で利用するパーソナルユーザーは多いはずなのです。ふつうの乗用車ならば、休みの日にディーラーに見に行くことができるかもしれません。しかし簡単に休めない。でも「プロの使い勝手」の情報を知る必要性を感じているユーザー候補はいるのではないでしょうか。

おそらく今回かなりニッチな立ち位置に舵を切って、かつてのアクティバンのように、ミッドシップレイアウトである以外、箱としての用途はエブリイでもハイゼットでも変わらない中での比較というわけにはいかなくなっていると思うのです。なので、興味があって買いたいというユーザーでも、中にはあきらめざるを得ない人もいるのだと思います。そんな判断の参考に、他のカテゴリー以上にどこでも見ることのできる自動車メディアの情報の重要性は高いはずなのです。ユーザー候補の人たちにとっては「期待できるのかどうか」そこだけなのではないでしょうか。もちろん突き詰めればその商売を体験しなくてはならないのか?といった極論に至りそう。それは難しいとしても、まあ、試乗会で試乗車に積まれていたという100㎏分の荷物を降ろして積んで、そのくらいはまず最低限すべきなのではないか。そんな風に感じました。そして代表的なサイズの荷物を出し入れしたときに腰を痛めないのがいいとか、きっといろんなことが考えられているに違いないのです。そんなことの片鱗を紹介できるインプレッションを私なら書きたいなあ、と一連の記事を見ていて感じました。そういったことが欠落しているのに「ユーザー視点」というようなニュアンスも散見され、正直疑問を感じずにはいられなかったのであります。

車中泊は人気です。でもあまりにそういうものへの用途に偏りすぎている。それが今回のN-VANのメディアでの取り上げられ方でとても感じたことです。

画像1: https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/
https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/
画像2: https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/
https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/
画像3: https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/
https://www.honda.co.jp/ACCESS/n-van/special/simulation/

となんでこんな、おそらく諸先輩方の書かれているであろう記事に不平を言うかというと、私は期待感を感じているからであるともいえるでしょう。あれを業務に供してみたい。そんな興味でいっぱいなのです。デユトロでは月間5000㎞程度稼働しているが、それに加えて同じだけとは難しいかもしれません。しかしそれでも月に3000㎞とかを走破し、使い勝手や、道具として馴染んできたときにこんな使い方もあったんだ、とか、ここがお気に入りなんだよねといったことが言えるのかどうか。実に興味があるのです。一計を案じており、本当は一刻も早くそんな実践型インプレッションができれば一番なのでしょうが。そこが悔しいところです。

走ったところの印象で「乗ると案外楽しいのよ!」などというのはあらゆることの最後に結果論として紹介されればよい話。このクルマに関してはそういうものだと思うのです。しかし何はともあれ、こういう興味深い商用車などは広報車といってもなかなかなく、買ってみるのが一番近道なだけに、ぱっとオーダーできない私の身の上は本当に良くない、私はまずその点を反省しなくてはいけません。

しかし、本当に欲しい。実のところ最近、日夜N-VANについても妄想が尽きないのであります。

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