1.はじめに。

こんにちは。ラッキーの保護者 です。

“VT250F”、言わずと知れたホンダが誇る名車ですよね。その末裔である VTR が “平成28年排出ガス規制(※注)”に不適合となり、惜しまれつつ、昨年の夏に生産終了を余儀なくされました。
同車は '82年に登場して以来、時代の変化に合わせてその姿や性格(車名も)を変えながら、長期間に渡り生産が継続されたベストセラーモデル(シリーズ)でした。

そこで今回は、35年にも及ぶ “VTシリーズ” の歴史を振り返ってみたいと思います。

※注:2015年の7月1日に公布・施行された「バイクの排出ガス規制」で、その基準は EU の「ユーロ4」に準拠、新型車は 2016年の10月1日から適用され、継続生産車両に関しては 2017年の9月1日に新しい基準値が適用(=国内向けの生産・出荷が不可となる)されました。

2.VTシリーズ の変遷。

(1)VT250F(初代:MC08型、通称 FC)

2ストロークの ヤマハRZ に 4ストロークで対抗すべく '82年に登場したこのモデルは、完全新設計の水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 248cc 35馬力のエンジンを真紅に塗られた鋼管ダブルクレードルフレームに搭載、その内容は非常に斬新かつ豪華なもので、前輪は 16インチとされ、インボードタイプのデュアルピストンキャリパー式ベンチレーテッド・ディスクブレーキを採用、ジュラルミン鍛造のセパレートハンドルや電気式タコメーター 及び ビキニカウル(法規上はメーターバイザーと称する)を装備していました。

画像: Photo from http://www.goobike.com/learn/bike_issue/toku238/02.html

Photo from http://www.goobike.com/learn/bike_issue/toku238/02.html

(2)VT250F インテグラ(MC08型の派生モデル)

カウリング解禁に伴い '83年に追加されたバリエーションモデルで、フレームマウントのフルカウルを纏う以外 スペックは標準車と共通で、5万1,000円高の45万円のプライスを掲げていました。

画像: Photo from http://www.honda.co.jp/news/1983/2830614.html

Photo from http://www.honda.co.jp/news/1983/2830614.html

(3)VT250F(2代目:MC08後期型、通称 FE)

'84年に登場したこのモデルは、水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 248cc 40馬力のエンジンを角パイプ製に変更して剛性を向上した鋼管ダブルクレードルフレームに搭載、フリクションロスの低減や軽量化 並びに ハイイナーシャポート(高慣性吸気ポート)採用のエンジンは先代よりも最大出力が 5馬力上乗せされ、後輪サイズを 18インチから 17インチへと変更、スタイリングも一新され、フレームマウントのハーフカウルを装備していました。

画像: photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840210.html

photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840210.html

(4)VT250Z(MC08後期型の派生モデル)

VT250FE の約 7ヵ月後に追加されたバリエーションモデルで、カウルを取り外して丸型ヘッドライトを装備する以外 車体周りは共通で、標準車より 2万円安い42万9,000円で販売されました。

画像: photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840913.html

photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840913.html

(5)VT250F インテグラ(MC08後期型の派生モデル)

'85年に追加されたバリエーションモデルで、フレームマウントのフルカウルを纏うほか、フロントブレーキがインボードタイプから通常のダブルディスクに変更され、ブレーキトルク応答型のアンチノーズダイブ機構(TRAC)を装備していました。

画像: Photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840913.html

Photo from http://www.honda.co.jp/news/1984/2840913.html

(6)VT250F(3代目:MC15型、通称 FG)

'86年に登場したこのモデルは、ストロークを0.1mm伸ばして排気量が1cc拡大された水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 249cc 43馬力のエンジンを鋼管ダイヤモンドフレームに搭載、外装デザインを丸みを帯びたものに変更、一体感のあるアンダーカウルを装備していました。

画像: Photo from https://www.pinterest.jp/pin/497436721316937233/

Photo from https://www.pinterest.jp/pin/497436721316937233/

(7)VTZ250(MC15型の派生モデル)

VT250Z の後継として '87年に登場したこのモデルは、標準車よりカウルを外してネイキッド化したバリエーションモデルで、基本的スペックは同一であったものの、S字断面ホイールや大径シングルディスクに変更されていました。

画像: Photo from http://www.imgrum.org/tag/VT250FINTEGRA

Photo from http://www.imgrum.org/tag/VT250FINTEGRA

(8)VT250 スパーダ(MC20型)

'88年に登場したこのモデルは、不等長エアファンネル や 大径の吸・排気バルブ、整流効果を高める新形状のエアガイドフィン付吸気ポート、集合タイプの排気管などにより中・低速寄りのトルク型に変更された水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 249cc 40馬力のエンジンを、世界初の鋳造中空一体構造のアルミキャスト・フレーム(CASTECフレーム)に搭載、リヤブレーキがディスク化されると共に、乾燥重量 140㎏ とシリーズ最軽量を誇りました。

画像: Photo from http://www.bikebros.co.jp/community/IMP_bikeData.php?m=1&s=70&b=3

Photo from http://www.bikebros.co.jp/community/IMP_bikeData.php?m=1&s=70&b=3

(9)ゼルビス(MC25型)

'91年に登場したこのモデルは、先代の スパーダ 以上に中・低速トルクを重視した水冷4ストローク 90度V型2気筒DOHC4バルブ 249cc 36馬力のエンジンを丸型断面の鋼管ダブルクレードルフレームに搭載、ツアラーとしての機能を重視しており、大きめのカウルや 16 ℓ 容量の燃料タンクに 7 ℓ ものシート下収納スペース、合計 10個の荷掛けフックなどの実用的な装備を備えていました。

画像: Photo from http://www.honda.co.jp/news/1991/2911011.html

Photo from http://www.honda.co.jp/news/1991/2911011.html

(10)Vツインマグナ(MC29型、写真は'96年に追加された「タイプS」)

マグナ・シリーズの 250cc 版 として '94年に登場したこのモデルは、水冷4ストローク90度V型2気筒
DOHC4バルブ 249cc 27馬力のエンジンを ロー&ロング な鋼管ダブルクレードルフレームに搭載、そのエンジンは トルク特性を中・低速寄りに変更して鼓動感が加味されると共に、シリンダー側面に冷却フィンを刻み、左右のクランクケースカバーやエアクリーナーカバーなどにはクロームメッキが施され、更に迫力のある右側 2本出しショートタイプのメガフォンマフラーなどと相まって、力強く高級感溢れるものとされていました。

※この車両を VTシリーズに含めるのには異論のある方もおられると思いますが、その心臓は紛れもなく VT 用の 90度V型2気筒DOHCエンジンであるため、敢えて取り上げさせていただきました。

画像: Photo from http://www.goobike.com/catalog/HONDA/V_TWIN_MAGNA_S/index.html

Photo from http://www.goobike.com/catalog/HONDA/V_TWIN_MAGNA_S/index.html

(11)VTR(初代:MC33型)

'98年に登場したこのモデルは、Vツインマグナ 用のそれをベースとしてスポーツ寄りにチューンが施され二次減速比を変更した水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 249cc 32馬力のエンジンをトラス構造の鋼管ダイヤモンドフレームに搭載、ワイドレシオの 5速ミッションの採用と相まって街乗りから高速道路を使用してのツーリングまで、幅広い場面で軽快な走りを実現していました。

画像: Photo from http://www.honda.co.jp/factbook/motor/VTR/19971100/004.html

Photo from http://www.honda.co.jp/factbook/motor/VTR/19971100/004.html

(12)VTR(2代目:JBKーMC33型)

VTR の 2代目として 2009年に登場したこのモデルは、厳しくなった排出ガス規制に対応するために FI 化された水冷4ストローク90度V型2気筒DOHC4バルブ 249cc 30馬力のエンジンを従来型を踏襲したトラス構造の鋼管ダイヤモンドフレームに搭載、新設計の燃料タンクや新採用のサイドカバーなどでデザインを一新すると共に、シート下収納スペースとヘルメットホルダーを新設するなど実用面の充実が図られていました。

画像: Phptp from http://www.honda.co.jp/news/2009/2090220-vtr.html

Phptp from http://www.honda.co.jp/news/2009/2090220-vtr.html

(13)VTRーF(JBKーMC33型の派生モデル)

2013年、2代目 VTR のマイナーチェンジと共に追加されたこのモデルは、基本スペックには変更がなかったもののハーフカウルを装備、メーター類を一体式の別デザインに変更してフレームマウントとすることで、ステアリングの慣性マスを低減していました。

画像: Photo from http://www.honda.co.jp/news/2013/2130212-vtr.html

Photo from http://www.honda.co.jp/news/2013/2130212-vtr.html

3.最後に。

以上のように VTシリーズ は、時代背景の変化や市場の要請によるモデルチェンジを重ね、35年もの長い間、ホンダの看板車種のひとつとして人気を博しました。
その原動力となったのは、一貫して使用された水冷4ストローク90度V型2気筒DOHCのエンジンで、それは基本設計がいかに優秀であったかの証しであり、名実共にホンダを代表する「名機」であると、後世まで語り継がれることでしょう。

特に、初代の VT250F(MC08型)は私の初めての中型車であり、バイクに乗る楽しさを教えてくれた忘れられない 1台でもあります。その VTシリーズ が生産終了となったのは残念ではありますが、改めて「お疲れ様」と賛辞を送りたいと思います。

今回も最後までお読みいただき、有難うございました。

This article is a sponsored article by
''.